異郷からの少女

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『ヴァギナ・モノローグ』もっと「まんこ」について語ろうか

世界的な知名度を獲得する『ヴァギナ・モノローグ』まんこ劇?

最近『ヴァギナ・モノローグ』/"The Vagina Monologues"という本を読んだ。大学図書館のオススメコーナーに置いてあったのだ。司書さんなかなか熱い!

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題名の通り『ヴァギナ・モノローグ』には、女性たちの女性器にまつわるモノローグが収録されている。自分とまんことの関係や経験、これまで感じてきた疑問や葛藤が綴られている。

『ヴァギナ・モノローグ』はお芝居にもなっている。こちらの本は、お芝居の制作過程の裏話や、女性たちのが語る詳細なまんこダイアログが収録されているのだ。芝居版『ヴァギナ・モノローグ』を観にきた女性たちの感想なども取り上げられており、興味深い。

アメリカに留学していた頃、演劇部に所属する友人らが『ヴァギナ・モノローグ』を製作していた。それだけ世界的にヴァギナ・モノローグは知名度を得ている演劇なのだろう。1996年にブロードウェイで上演されて以来、世界60カ国以上で上演されているようだ。

全く問題なくこのようなお芝居が上演出来るというわけでもなく、本の中では「まんこ」がタイトルとなっているが故に、演劇の公演が難しかったり、ポスターが貼れなかったり…など作者の苦悩も綴られている。

溢れ出す、まんこに関するエピソード

本の構成は至ってシンプル。女性が自分たちの女性器について質問されて、それについて答えている。初めは質問に戸惑ったり、恥ずかしがっている人々も、インタビューが進むに従って話は弾む。

これまで女性器について語ることはタブーだと思ってきた人が多いようで、まんこについて聞かれて怒り出す人もいる。本に登場する高齢の女性は、自分の女性器すら見たこともないと、若干怒りながらインタビューに答えている。

ただ女性器について質問しているだけなのに、どんどん広がる話題。夫婦関係が上手く行っていない女性は、旦那にまんこの毛を剃れと強制されていることが苦痛であった経験を語り出し、レイプの経験を告白する人も。

まんこにまつわる物語は十人十色。嬉しい話も、辛い話も、忘れたい話もある。実に多様だ。それでも登場する女性に一貫していることがある。皆、まんこにまつわる経験を語る場がほとんどなかったということだ。

まんこを表象?揶揄?する言葉たち

他にも印象的だったのは、女性器・まんこを表象・揶揄する言葉が実に多く存在することだ。日本語ではそんなに多くないかもしれないが、英語では隠語を含めるとかなり多い。人々は女性器を揶揄するクセがついており、まんこについて語ろうとすると、ネガティブなイメージが付き纏ったり、そもそも「まんこ」をまんことして語る言葉を持ち合わせていない。

”down there"(あそこ)と表されるだけのまんこ。それでええんか?みんなそこから生まれてきたんだぞ〜。ポジティブにまんこについて語りたい。というわけで、私はこうやって臆することなく「まんこ、まんこ」言っている。

まんこについて語ろうよ!

とは言っても、女友達同士でもまんこについて語ったことはあまりない。なので世の中の人々が、まんこに対してどんなことを感じ、考え生きているのかはあまり知らない。だからこそ興味がある。だってとても大切な体の一部じゃないですか。最近は家族や、超親しい友人には「まんこネタ」を、いきなりぶち込んだりもしている。大抵の人は「まんこ」と言うと、拒否感や驚きをあらわにするが、何回か「まんこ、まんこ」と言っていれば、慣れてくる。そして気がつけば、まんこについて話が出来る。

数年前ろくでなし子さんがご自身のまんこの3Dデータを支援者に提供し、逮捕されている。この話題に深入りするほど、日本の司法制度には詳しくない。ただ警視庁、メディア、世論がこぞって「まんこ狩り」していたのは、ある意味狂気じみていた。そしてそんな現状は続いているのだろう。それにしても、ろくでなし子さんの作品可愛いよね。まんこちゃんがイキイキしていて、見てて嬉しくなる。

まずは、自分の生活圏でまんこについて話すのが普通な土壌を築いていこう。