異郷からの少女

複雑性をこよなく愛する、意外と単純な人間。フェミニスト🌱Why not?

鬱っけのある私が引きこもる正当な理由を持った2ヶ月間

ごきげんよう

皆さんいかがお過ごしでしょうか?緊急事態宣言が解除されましたね。歴史を振り返ってみると、疫病の多くは第一波より第二波の方がウイルスの影響力も強く、死者数なども多かったと言われています。私はこの家の専門家ではありませんので、あれこれと憶測するのもよくないと思いますので、控えますがあと数週間は、慎重に様子を見た方がいいのではないかなと個人的には思っています。

それでも、緊急事態宣言が解除されたことによって友人らから遠出のお誘いが来たり、図書館が使えるように良いのではないかという噂を聞いたり、研究室に入れるようになったり(実際に使うかどうかは別として)、状況が少しずつ変化しているのだなと実感しています。

緊急事態宣言が解除されたとはいえ今学期中の授業を基本的にオンラインで行われるそうです。多くのお仕事も完全にリモート勤務にシフトしました。それでもこれから少しずつ外に出ることを求められるのかなと思うと、それはそれで億劫に感じてしまったりする自分もいます。ここ2ヶ月間、部屋に引きこもり、そして部屋に引きこもる正当な理由を持ってることは、ある種居心地のよい日々だったようにも思えます。社会や自分に対して、外に出ないこと、家にこもっていることへの「正しい」理由を持っていることは、私に心の安定をもたらしてくれたような気がします。

f:id:transparentyflat:20200606072709j:plain

私の軽いうつの症状や、対人関係によるストレス、それに伴う引きこもることに対する欲望をこの2ヶ月を通じて存分に満たことができた。社会的なステータスや人間関係を維持するために、外出することが当たり前のように求められ、それを拒否する術はこれまで持ち合わせていませんでした。また心が元気な時は、他人に「フットワークが軽い」「行動力がある」といった性格も持ち合わせているようで、そのギャップに悩まされることも多くありました。今後、どれだけ外出を拒否するツールとして「コロナエクスキューズ」は使えるのかはわかりません。実際のところ私に引きこもりの傾向がなかったとしても、このコロナの状況に対しては非常に敏感だったと思います。なので単に私の言動を「コロナエクスキューズ」として収めてしまうこともできないでしょう。

外出の自粛規制が発令されてからの、およそ2ヶ月間で国内における自殺率は例年と比べて激減しているそうです。家にこもっている正当な理由を持っているだけで守れるものが多くあることがわかります。それは命だけではないでしょう。外出することが365日求められないことによって、諦めていた人生の選択肢が可能になったりすることもあるでしょう。もし家から働けるのであれば、私が幼少期にすでに諦めた「いつも家にいる優しいお母さん」と「バリバリ働くキャリアウーマン」(実際これになりたいかどうかはわかりませんが)の両立も可能となることでしょう。世界中で開発されている素晴らしいツールを有効活用して柔軟に人々が求める、人生を築くことができたらいいのですが。今回の経験がその一歩となったような、いないような気がしています。

緊急事態宣言が解除されてから、理由もなしにオフィスで働くことを余儀なくされている友人を見ていると、社会やシステムが変わるというのは簡単なようで難しいのだなと感じています。

なんだかとりとめもないことを、つらつらと綴ってしまいました。これから状況が改善していくことをもちろん望んでいます。結局は外出できる自由を手にしていたい、それでも外出しないことへの正当な理由を放棄するのにもモヤモヤしている、どっちつかずの私でした。

バーイ